翡翠（ヒスイ）

翡翠は、寛大な心を養い、理想の人生を切り開くと知られ、5月の誕生石としても有名です。 翡翠は、カワセミの羽根のように美しい緑色をした原石が、美しい翡翠（カワセミ）をイメージさせることから「翡翠玉」と呼ばれるようになり、 その名前が中国から日本へと伝わってきたといわれています。

翡翠自体は、何千年もの昔から日本でも産出されており、日本人にとって大変馴染みの深い天然石の一つといえるでしょう。 翡翠は、「硬玉」（ジェダイト）と「軟玉」（ネフライト）に分けられます。 それぞれの石は、その名のとおり硬度に違いがあり、異なる鉱物なのですが、見た目が非常に似ており区別がつきにくいことからどちらも「翡翠」（ジェード）と呼ばれています。

トラブルや災難を回避してくれるといわれる「翡翠」。 災いや不運から身の安全を守るとされ、魔よけ・厄除けのお守りとして人気のパワーストーンです。 悪夢を見やすい人や、逆境が続いている人にも、魔よけのお守りとして、おすすめのパワーストーンです。

翡翠は、森羅万象すべての物事をつかさどるパワーを持ち合わせているといわれ、「仁・義・礼・智・信」の5つの徳を備えていることから、持ち主の意識を高めて仁徳を与えるとされています。 中国でも「玉」(ぎょく)と呼ばれ、古来より王の象徴として特別に扱われてきたパワーストーンです。

翡翠が中国で尊重されるのは、約3000年前の殷（いん）王朝時代に書かれた「史記」の物語が元とされています。

ある日、呂尚（りょしょう）という人物が釣りをしていました。釣れた鯉のお腹から「殷の次は周（しゅう）の時代となり、新しい時代を迎える。あなたはその次の王朝の実現に尽力しなければいけない。」と書かれた翡翠の板が出てきます。その時、一人の青年が話しかけてきたので、呂尚はその青年に翡翠の板とメッセージのことを伝えました。実はこの青年が周を治めている文王（ぶんおう）で「わが祖父である大公はあなたが現れるのを待ち望んでいました。ぜひお力を貸して頂きたい。」とお願いをしてきます。この出会いをきっかけに、周に呂尚を軍師として迎え入れることになります。その結果、周は殷王朝を打倒し、中国統一をすることができました。

この物語の言い伝えから、中国皇帝や高貴な人は翡翠を貴重な宝石として崇めるようになったといいます。

このように、王や皇帝など、権力者や高貴な人々に愛されてきたことが分かりますが、中でも西太后は特に熱狂的な翡翠コレクターとして有名です。

世界中の様々な民族に魔除けやお守りとされており、「魔法の石」「奇跡の石」として古くから大切に崇められてきました。

東洋·西洋を間わず、世界中の人々を守護してきた翡翠は身に着けることで直感力を高め、未然に災難を防ぐ力をもつといわれています。古代マヤ文明では、再生を願って死者の口に翡翠を含ませたそうです。 成功と繁栄をもたらす力を引き出して、達成までを導く手助けになってくれる石としておすすめです。

特に、古来より稼業の繁栄をもたらすとされるため、独立や事業を拡大するときには、願いを込め身につけることをおすすめします。翡翠は、冷静さや忍耐力を養う効果があるともいわれています。大切な打ち合わせやビジネスなどの交渉の時に身につけるとよいでしょう。

また、心身の疲れをはじめ、マイナスの気によってもたらされる不調に働きかけるといわれることから、健康のお守りとしても人気のパワーストーンです。

親から子へ受け継がれる幸せの象徴とされ、古くから幸福のシンボルとして珍重されてきた「翡翠」。 翡翠は、かつて楊貴妃も翡翠のバングルを愛用していたと伝えられており、中国では現在に至っても親から子へ翡翠のバングルを受け継ぐ習慣があるそうです。

身に着けると女性の優しさと美しさがより引き出されると知られることから、母親が娘の幸せを願って贈ることが多い翡翠。 そのため、中国、香港では翡翠のバングルを身に付けた女性をよく目にします。

また、繁栄や健康の願いを引き寄せるとされることから、大切な人へのプレゼントとしてもおすすめ。 ライトグリーンジェイドには癒しのパワーも期待されてきました。

翡翠は、緑色のものが有名ですが実は他にも、白・黄・褐・赤・橙・紫・ピンク・灰色など、様々な色合いのものがあります。 その中でも、透き通るような半透明で、深いエメラルドグリーンをした翡翠は、「琅玕」(ロウカン)又は「インペリアルジェイド」と呼ばれ驚くほどの高値で取引されています。

産地としては、ミャンマーが有名ですが、日本では、翡翠のまちとして新潟県糸魚川が有名です。 しかし、日本の翡翠は、1950年代から天然記念物に指定されています。 そのため現在流通している日本産翡翠は、それ以前に採掘されたもので非常に希少でコレクターに人気を得ています。